2017 年 2 月 6 日公開 | 2017 年 2 月 8 日更新

Android のセキュリティに関する公開情報には、Android 搭載端末に影響を与えるセキュリティの脆弱性の詳細を掲載しています。情報の公開に伴い、Google 端末に対するセキュリティ アップデートを無線(OTA)アップデートで配信しました。Google 端末のファームウェア イメージも Google デベロッパー サイトでリリースしています。2017 年 2 月 5 日以降のセキュリティ パッチ レベルでは、下記のすべての問題に対処しています。端末のセキュリティ パッチ レベルを確認する方法については、Pixel と Nexus のアップデート スケジュールをご覧ください。

パートナーには、この公開情報に記載の問題について 2017 年 1 月 3 日までに通知済みです。Android オープンソース プロジェクト(AOSP)レポジトリに、下記の問題に対するソースコードのパッチをリリースしています。この公開情報には AOSP 以外のパッチへのリンクも掲載しています。

下記の問題のうち最も重大度の高いものは、多様な方法(メール、ウェブの閲覧、MMS など)により、攻撃対象の端末でメディア ファイルを処理する際にリモートでのコード実行が可能になるおそれのある重大なセキュリティの脆弱性です。

この新たに報告された問題によって実際のユーザー端末が不正使用された報告はありません。Android セキュリティ プラットフォームの保護SafetyNet のようなサービスの保護について詳しくは、Android と Google サービスでのリスク軽減策をご覧ください。こうした保護により、Android プラットフォームのセキュリティが改善されます。

すべてのユーザーに対し、ご利用の端末で上記の更新を行うことをおすすめします。

お知らせ

セキュリティの脆弱性の概要

下記の表に、セキュリティの脆弱性、その共通脆弱性識別子(CVE)、重大度の判定、Google 端末への影響があるかどうかの一覧を示します。重大度の判定は、攻撃を受けた端末でその脆弱性が悪用された場合の影響に基づくもので、プラットフォームやサービスでのリスク軽減策が開発目的で無効にされるか不正に回避された場合を前提としています。

セキュリティ パッチ レベル 2017-02-01 の脆弱性の概要

セキュリティ パッチ レベル 2017-02-01 以降では、下記の問題に対処する必要があります。

問題 CVE 重大度 Google 端末への影響
Surfaceflinger でのリモートコード実行の脆弱性 CVE-2017-0405 重大 あり
メディアサーバーでのリモートコード実行の脆弱性 CVE-2017-0406、CVE-2017-0407 重大 あり
libgdx でのリモートコード実行の脆弱性 CVE-2017-0408 あり
libstagefright でのリモートコード実行の脆弱性 CVE-2017-0409 あり
Java.Net での権限昇格の脆弱性 CVE-2016-5552 あり
フレームワーク API での権限昇格の脆弱性 CVE-2017-0410、CVE-2017-0411、CVE-2017-0412 あり
メディアサーバーでの権限昇格の脆弱性 CVE-2017-0415 あり
オーディオサーバーでの権限昇格の脆弱性 CVE-2017-0416、CVE-2017-0417、CVE-2017-0418、CVE-2017-0419 あり
AOSP メールでの情報開示の脆弱性 CVE-2017-0420 あり
AOSP メッセージでの情報開示の脆弱性 CVE-2017-0413、CVE-2017-0414 あり
フレームワーク API での情報開示の脆弱性 CVE-2017-0421 あり
Bionic DNS でのサービス拒否の脆弱性 CVE-2017-0422 あり
Bluetooth での権限昇格の脆弱性 CVE-2017-0423 あり
AOSP メッセージでの情報開示の脆弱性 CVE-2017-0424 あり
オーディオサーバーでの情報開示の脆弱性 CVE-2017-0425 あり
ファイル システムでの情報開示の脆弱性 CVE-2017-0426 あり

セキュリティ パッチ レベル 2017-02-05 の脆弱性の概要

セキュリティ パッチ レベル 2017-02-05 以降では、2017-02-01 に関連するすべての問題に加えて、下記の問題に対処する必要があります。

問題 CVE 重大度 Google 端末への影響
Qualcomm crypto ドライバでのリモートコード実行の脆弱性 CVE-2016-8418 重大 なし*
カーネル ファイル システムでの権限昇格の脆弱性 CVE-2017-0427 重大 あり
NVIDIA GPU ドライバでの権限昇格の脆弱性 CVE-2017-0428、CVE-2017-0429 重大 あり
カーネル ネットワーク サブシステムでの権限昇格の脆弱性 CVE-2014-9914 重大 あり
Broadcom Wi-Fi ドライバでの権限昇格の脆弱性 CVE-2017-0430 重大 あり
Qualcomm コンポーネントでの脆弱性 CVE-2017-0431 重大 なし*
MediaTek ドライバでの権限昇格の脆弱性 CVE-2017-0432 なし*
Synaptics タッチスクリーン ドライバでの権限昇格の脆弱性 CVE-2017-0433、CVE-2017-0434 あり
Qualcomm Secure Execution Environment Communicator ドライバでの権限昇格の脆弱性 CVE-2016-8480 あり
Qualcomm サウンド ドライバでの権限昇格の脆弱性 CVE-2016-8481、CVE-2017-0435、CVE-2017-0436 あり
Qualcomm Wi-Fi ドライバでの権限昇格の脆弱性 CVE-2017-0437、CVE-2017-0438、CVE-2017-0439、CVE-2016-8419、 CVE-2016-8420、CVE-2016-8421、CVE-2017-0440、CVE-2017-0441、 CVE-2017-0442、CVE-2017-0443、CVE-2016-8476 あり
Realtek サウンド ドライバでの権限昇格の脆弱性 CVE-2017-0444 あり
HTC タッチスクリーン ドライバでの権限昇格の脆弱性 CVE-2017-0445、CVE-2017-0446、CVE-2017-0447 あり
NVIDIA ビデオドライバでの情報開示の脆弱性 CVE-2017-0448 あり
Broadcom Wi-Fi ドライバでの権限昇格の脆弱性 CVE-2017-0449 あり
オーディオサーバーでの権限昇格の脆弱性 CVE-2017-0450 あり
カーネル ファイル システムでの権限昇格の脆弱性 CVE-2016-10044 あり
Qualcomm Secure Execution Environment Communicator での情報開示の脆弱性 CVE-2016-8414 あり
Qualcomm サウンド ドライバでの情報開示の脆弱性 CVE-2017-0451 あり

* Android 7.0 以降が搭載されたサポート対象の Google 端末において、適用できるすべてのアップデートがインストールされている場合は、この脆弱性が悪用されることはありません。

Android と Google サービスでのリスク軽減策

ここでは、Android セキュリティ プラットフォームの保護と SafetyNet のようなサービスの保護によるリスクの軽減について概説します。こうした機能は、Android でセキュリティの脆弱性が悪用される可能性を減らします。

謝辞

調査にご協力くださった下記の皆様方に感謝いたします(敬称略)。

また、この公開情報にご協力くださった下記の皆様方にも感謝いたします(敬称略)。

セキュリティ パッチ レベル 2017-02-01 の脆弱性の詳細

上記のセキュリティ パッチ レベル 2017-02-01 の脆弱性の概要で一覧に挙げた各項目について、下記に詳細を説明します。問題の内容とその重大度の根拠について説明し、CVE、関連する参照先、重大度、更新対象の Google 端末、更新対象の AOSP バージョン(該当する場合)、報告日を表にまとめています。その問題に対処した、一般公開されている変更(AOSP の変更の一覧など)がある場合は、そのバグ ID にリンクを設定しています。複数の変更が同じバグに関係する場合は、バグ ID の後に記載した番号に、追加の参照へのリンクを設定しています。

Surfaceflinger でのリモートコード実行の脆弱性

Surfaceflinger にリモートコード実行の脆弱性があるため、攻撃者が特別に細工したファイルを使用して、メディア ファイルやデータの処理中にメモリ破壊を引き起こすおそれがあります。Surfaceflinger のプロセス内でリモートコードが実行される可能性があるため、この問題は「重大」と判断されています。

CVE 参照 重大度 更新対象の Google 端末 更新対象の AOSP バージョン 報告日
CVE-2017-0405 A-31960359 重大 すべて 7.0、7.1.1 2016 年 10 月 4 日

メディアサーバーでのリモートコード実行の脆弱性

メディアサーバーにリモートコード実行の脆弱性があるため、攻撃者が特別に細工したファイルを使用して、メディア ファイルやデータの処理中にメモリ破壊を引き起こすおそれがあります。メディアサーバーのプロセスにおいてリモートでコードが実行されるおそれがあるため、この問題は重大と判断されています。

CVE 参照 重大度 更新対象の Google 端末 更新対象の AOSP バージョン 報告日
CVE-2017-0406 A-32915871 [2] 重大 すべて 6.0、6.0.1、7.0、7.1.1 2016 年 11 月 14 日
CVE-2017-0407 A-32873375 重大 すべて 6.0、6.0.1、7.0、7.1.1 2016 年 11 月 12 日

libgdx でのリモートコード実行の脆弱性

libgdx にリモートコード実行の脆弱性があるため、攻撃者が特別に細工したファイルを使用して、権限のないプロセス内で任意のコードを実行するおそれがあります。このライブラリを使用するアプリでリモートコードが実行される可能性があるため、この問題の重大度は「高」と判断されています。

CVE 参照 重大度 更新対象の Google 端末 更新対象の AOSP バージョン 報告日
CVE-2017-0408 A-32769670 すべて 7.1.1 2016 年 11 月 9 日

libstagefright でのリモートコード実行の脆弱性

libstagefright にリモートコード実行の脆弱性があるため、攻撃者が特別に細工したファイルを使用して、権限のないプロセス内で任意のコードを実行するおそれがあります。このライブラリを使用するアプリでリモートコードが実行される可能性があるため、この問題の重大度は「高」と判断されています。

CVE 参照 重大度 更新対象の Google 端末 更新対象の AOSP バージョン 報告日
CVE-2017-0409 A-31999646 すべて 6.0、6.0.1、7.0、7.1.1 Google 社内

Java.Net での権限昇格の脆弱性

Java.Net ライブラリに権限昇格の脆弱性があるため、悪意のあるウェブ コンテンツが明示的な許可を得ずにユーザーを別のウェブサイトにリダイレクトするおそれがあります。ユーザー操作の要件がリモートで回避されるため、この問題の重大度は「高」と判断されています。

CVE 参照 重大度 更新対象の Google 端末 更新対象の AOSP バージョン 報告日
CVE-2016-5552 A-31858037 すべて 7.0、7.1.1 2016 年 9 月 30 日

フレームワーク API での権限昇格の脆弱性

フレームワーク API に権限昇格の脆弱性があるため、悪意のあるローカルアプリによって特権プロセス内で任意のコードが実行されるおそれがあります。サードパーティのアプリが通常はアクセスできない権限に昇格してローカルにアクセスするのに利用されるおそれがあるので、この問題の重大度は「高」と判断されています。

CVE 参照 重大度 更新対象の Google 端末 更新対象の AOSP バージョン 報告日
CVE-2017-0410 A-31929765 すべて 5.0.2、5.1.1、6.0、6.0.1、7.0、7.1.1 2016 年 10 月 2 日
CVE-2017-0411 A-33042690 [2] すべて 7.0、7.1.1 2016 年 11 月 21 日
CVE-2017-0412 A-33039926 [2] すべて 7.0、7.1.1 2016 年 11 月 21 日

メディアサーバーでの権限昇格の脆弱性

メディアサーバーに権限昇格の脆弱性があるため、悪意のあるローカルアプリによって特権プロセス内で任意のコードが実行されるおそれがあります。サードパーティのアプリが通常はアクセスできない権限に昇格してローカルにアクセスするのに利用されるおそれがあるので、この問題の重大度は「高」と判断されています。

CVE 参照 重大度 更新対象の Google 端末 更新対象の AOSP バージョン 報告日
CVE-2017-0415 A-32706020 すべて 6.0、6.0.1、7.0、7.1.1 2016 年 11 月 4 日

オーディオサーバーでの権限昇格の脆弱性

オーディオサーバーに権限昇格の脆弱性があるため、悪意のあるローカルアプリによって特権プロセス内で任意のコードが実行されるおそれがあります。サードパーティのアプリが通常はアクセスできない権限に昇格してローカルにアクセスするのに利用されるおそれがあるので、この問題の重大度は「高」と判断されています。

CVE 参照 重大度 更新対象の Google 端末 更新対象の AOSP バージョン 報告日
CVE-2017-0416 A-32886609 [2] すべて 4.4.4、5.0.2、5.1.1、6.0、6.0.1、7.0、7.1.1 Google 社内
CVE-2017-0417 A-32705438 すべて 4.4.4、5.0.2、5.1.1、6.0、6.0.1、7.0、7.1.1 2016 年 11 月 7 日
CVE-2017-0418 A-32703959 [2] すべて 4.4.4、5.0.2、5.1.1、6.0、6.0.1、7.0、7.1.1 2016 年 11 月 7 日
CVE-2017-0419 A-32220769 すべて 4.4.4、5.0.2、5.1.1、6.0、6.0.1、7.0、7.1.1 2016 年 10 月 15 日

AOSP メールでの情報開示の脆弱性

AOSP メールに情報開示の脆弱性があるため、悪意のあるローカルアプリが、アプリデータを他のアプリから分離するオペレーティング システムの保護を回避するおそれがあります。アプリがアクセス権限のないデータにアクセスするのに利用されるおそれがあるため、この問題の重大度は「高」と判断されています。

CVE 参照 重大度 更新対象の Google 端末 更新対象の AOSP バージョン 報告日
CVE-2017-0420 A-32615212 すべて 4.4.4、5.0.2、5.1.1、6.0、6.0.1、7.0、7.1.1 2016 年 9 月 12 日

AOSP メッセージでの情報開示の脆弱性

AOSP メッセージに情報開示の脆弱性があるため、悪意のあるローカルアプリが、アプリデータを他のアプリから分離するオペレーティング システムの保護を回避するおそれがあります。アプリがアクセス権限のないデータにアクセスするのに利用されるおそれがあるため、この問題の重大度は「高」と判断されています。

CVE 参照 重大度 更新対象の Google 端末 更新対象の AOSP バージョン 報告日
CVE-2017-0413 A-32161610 すべて 6.0、6.0.1、7.0、7.1.1 2016 年 10 月 13 日
CVE-2017-0414 A-32807795 すべて 6.0、6.0.1、7.0、7.1.1 2016 年 11 月 10 日

フレームワーク API での情報開示の脆弱性

フレームワーク API に情報開示の脆弱性があるため、悪意のあるローカルアプリが、アプリデータを他のアプリから分離するオペレーティング システムの保護を回避するおそれがあります。アプリがアクセス権限のないデータにアクセスするのに利用されるおそれがあるため、この問題の重大度は「高」と判断されています。

CVE 参照 重大度 更新対象の Google 端末 更新対象の AOSP バージョン 報告日
CVE-2017-0421 A-32555637 すべて 5.0.2, 5.1.1, 6.0, 6.0.1, 7.0, 7.1.1 Google 社内

Bionic DNS でのサービス拒否の脆弱性

Bionic DNS にサービス拒否の脆弱性があるため、リモートの攻撃者が特別に細工したネットワーク パケットを使用して、端末のハングや再起動を引き起こすおそれがあります。リモートでのサービス拒否のおそれがあるため、この問題の重大度は「高」と判断されています。

CVE 参照 重大度 更新対象の Google 端末 更新対象の AOSP バージョン 報告日
CVE-2017-0422 A-32322088 すべて 4.4.4、5.0.2、5.1.1、6.0、6.0.1、7.0、7.1.1 2016 年 10 月 20 日

Bluetooth での権限昇格の脆弱性

Bluetooth に権限昇格の脆弱性があるため、近くにいる攻撃者が端末上のドキュメントへのアクセスを管理するおそれがあります。最初に Bluetooth スタックの別の脆弱性を悪用する必要があるため、この問題の重大度は「中」と判断されています。

CVE 参照 重大度 更新対象の Google 端末 更新対象の AOSP バージョン 報告日
CVE-2017-0423 A-32612586 すべて 5.0.2、5.1.1、6.0、6.0.1、7.0、7.1.1 2016 年 11 月 2 日

AOSP メッセージでの情報開示の脆弱性

AOSP メッセージに情報開示の脆弱性があるため、リモートの攻撃者が特別に細工したファイルを使用して、権限レベルの範囲外のデータにアクセスするおそれがあります。ユーザーレベルの多重防御または悪用対策技術を特権プロセス内で迂回する一般的な方法であるため、この問題の重大度は「中」と判断されています。

CVE 参照 重大度 更新対象の Google 端末 更新対象の AOSP バージョン 報告日
CVE-2017-0424 A-32322450 すべて 6.0、6.0.1、7.0、7.1.1 2016 年 10 月 20 日

オーディオサーバーでの情報開示の脆弱性

オーディオサーバーに情報開示の脆弱性があるため、悪意のあるローカルアプリが権限レベルの範囲外のデータにアクセスするおそれがあります。許可を得ずに機密データにアクセスするのに利用されるおそれがあるため、この問題の重大度は「中」と判断されています。

CVE 参照 重大度 更新対象の Google 端末 更新対象の AOSP バージョン 報告日
CVE-2017-0425 A-32720785 すべて 4.4.4、5.0.2、5.1.1、6.0、6.0.1、7.0、7.1.1 2016 年 11 月 7 日

ファイル システムでの情報開示の脆弱性

ファイル システムに情報開示の脆弱性があるため、悪意のあるローカルアプリが権限レベルの範囲外のデータにアクセスするおそれがあります。許可を得ずに機密データにアクセスするのに利用されるおそれがあるため、この問題の重大度は「中」と判断されています。

CVE 参照 重大度 更新対象の Google 端末 更新対象の AOSP バージョン 報告日
CVE-2017-0426 A-32799236 [2] すべて 7.0、7.1.1 Google 社内

セキュリティ パッチ レベル 2017-02-05 の脆弱性の詳細

上記のセキュリティ パッチ レベル 2017-02-05 の脆弱性の概要で一覧に挙げた各項目について、下記に詳細を説明します。問題の内容とその重大度の根拠について説明し、CVE、関連する参照先、重大度、更新対象の Google 端末、更新対象の AOSP バージョン(該当する場合)、報告日を表にまとめています。その問題に対処した、一般公開されている変更(AOSP の変更の一覧など)がある場合は、そのバグ ID にリンクを設定しています。複数の変更が同じバグに関係する場合は、バグ ID の後に記載した番号に、追加の参照へのリンクを設定しています。

Qualcomm crypto ドライバでのリモートコード実行の脆弱性

Qualcomm crypto ドライバにリモートコード実行の脆弱性があるため、リモートの攻撃者がカーネル内で任意のコードを実行するおそれがあります。カーネル内でリモートコードが実行される可能性があるため、この問題は「重大」と判断されています。

CVE 参照 重大度 更新対象の Google 端末 報告日
CVE-2016-8418 A-32652894
QC-CR#1077457
重大 なし* 2016 年 10 月 10 日

* Android 7.0 以降が搭載されたサポート対象の Google 端末において、適用できるすべてのアップデートがインストールされている場合は、この脆弱性が悪用されることはありません。

カーネル ファイル システムでの権限昇格の脆弱性

カーネル ファイル システムに権限昇格の脆弱性があるため、悪意のあるローカルアプリによってカーネル内で任意のコードが実行されるおそれがあります。ローカルでの永久的な端末の侵害につながるおそれがあり、端末を修復するにはオペレーティング システムの再適用が必要になる可能性があるため、この問題は「重大」と判断されています。

CVE 参照 重大度 更新対象の Google 端末 報告日
CVE-2017-0427 A-31495866* 重大 Nexus 5X、Nexus 6、Nexus 6P、Nexus 9、Android One、Pixel C、Nexus Player、Pixel、Pixel XL 2016 年 9 月 13 日

* この問題に対するパッチは公開されていません。アップデートは Google デベロッパー サイトから入手できる Nexus 端末用最新バイナリ ドライバに含まれています。

NVIDIA GPU ドライバでの権限昇格の脆弱性

NVIDIA GPU ドライバに権限昇格の脆弱性があるため、悪意のあるローカルアプリによってカーネル内で任意のコードが実行されるおそれがあります。ローカルでの永久的な端末の侵害につながるおそれがあり、端末を修復するにはオペレーティング システムの再適用が必要になる可能性があるため、この問題は「重大」と判断されています。

CVE 参照 重大度 更新対象の Google 端末 報告日
CVE-2017-0428 A-32401526*
N-CVE-2017-0428
重大 Nexus 9 2016 年 10 月 25 日
CVE-2017-0429 A-32636619*
N-CVE-2017-0429
重大 Nexus 9 2016 年 11 月 3 日

* この問題に対するパッチは公開されていません。アップデートは Google デベロッパー サイトから入手できる Nexus 端末用最新バイナリ ドライバに含まれています。

カーネル ネットワーク サブシステムでの権限昇格の脆弱性

カーネル ネットワーク サブシステムに権限昇格の脆弱性があるため、悪意のあるローカルアプリによってカーネル内で任意のコードが実行されるおそれがあります。ローカルでの永久的な端末の侵害につながるおそれがあり、端末を修復するにはオペレーティング システムの再適用が必要になる可能性があるため、この問題は「重大」と判断されています。

CVE 参照 重大度 更新対象の Google 端末 報告日
CVE-2014-9914 A-32882659
アップストリーム カーネル
重大 Nexus 6、Nexus Player 2016 年 11 月 9 日

Broadcom Wi-Fi ドライバでの権限昇格の脆弱性

Broadcom Wi-Fi ドライバに権限昇格の脆弱性があるため、悪意のあるローカルアプリによってカーネル内で任意のコードが実行されるおそれがあります。ローカルでの永久的な端末の侵害につながるおそれがあり、端末を修復するにはオペレーティング システムの再適用が必要になる可能性があるため、この問題は「重大」と判断されています。

CVE 参照 重大度 更新対象の Google 端末 報告日
CVE-2017-0430 A-32838767*
B-RB#107459
重大 Nexus 6、Nexus 6P、Nexus 9、Pixel C、Nexus Player Google 社内

* この問題に対するパッチは公開されていません。アップデートは Google デベロッパー サイトから入手できる Nexus 端末用最新バイナリ ドライバに含まれています。

Qualcomm コンポーネントでの脆弱性

下記の表に Qualcomm コンポーネントに影響する脆弱性を示します。詳細については、Qualcomm AMSS の 2016 年 9 月のセキュリティに関する公開情報をご覧ください。

CVE 参照 重大度* 更新対象の Google 端末 報告日
CVE-2017-0431 A-32573899** 重大 なし*** Qualcomm 社内

* この一連の問題の重大度はベンダーが決定したものです。

** この問題に対するパッチは公開されていません。アップデートは Google デベロッパー サイトから入手できる Nexus 端末用最新バイナリ ドライバに含まれています。

*** Android 7.0 以降が搭載されたサポート対象の Google 端末において、適用できるすべてのアップデートがインストールされている場合は、この脆弱性が悪用されることはありません。

MediaTek ドライバでの権限昇格の脆弱性

MediaTek ドライバに権限昇格の脆弱性があるため、悪意のあるローカルアプリによってカーネル内で任意のコードが実行されるおそれがあります。最初に特権プロセスへの侵入が必要であるため、この問題の重大度は「高」と判断されています。

CVE 参照 重大度 更新対象の Google 端末 報告日
CVE-2017-0432 A-28332719*
M-ALPS02708925
なし** 2016 年 4 月 21 日

* この問題に対するパッチは公開されていません。アップデートは Google デベロッパー サイトから入手できる Nexus 端末用最新バイナリ ドライバに含まれています。

** Android 7.0 以降が搭載されたサポート対象の Google 端末において、適用できるすべてのアップデートがインストールされている場合は、この脆弱性が悪用されることはありません。

Synaptics タッチスクリーン ドライバでの権限昇格の脆弱性

Synaptics タッチスクリーン ドライバに権限昇格の脆弱性があるため、悪意のあるローカルアプリによってタッチスクリーン チップセット内で任意のコードが実行されるおそれがあります。最初に特権プロセスへの侵入が必要であるため、この問題の重大度は「高」と判断されています。

CVE 参照 重大度 更新対象の Google 端末 報告日
CVE-2017-0433 A-31913571* Nexus 6P、Nexus 9、Android One、Pixel、Pixel XL 2016 年 9 月 8 日
CVE-2017-0434 A-33001936* Pixel、Pixel XL 2016 年 11 月 18 日

* この問題に対するパッチは公開されていません。アップデートは Google デベロッパー サイトから入手できる Nexus 端末用最新バイナリ ドライバに含まれています。

Qualcomm Secure Execution Environment Communicator ドライバでの権限昇格の脆弱性

Qualcomm Secure Execution Environment Communicator ドライバに権限昇格の脆弱性があるため、悪意のあるローカルアプリによってカーネル内で任意のコードが実行されるおそれがあります。最初に特権プロセスへの侵入が必要であるため、この問題の重大度は「高」と判断されています。

CVE 参照 重大度 更新対象の Google 端末 報告日
CVE-2016-8480 A-31804432
QC-CR#1086186 [2]
Nexus 5X、Nexus 6、Nexus 6P、Android One、Pixel、Pixel XL 2016 年 9 月 28 日

Qualcomm サウンド ドライバでの権限昇格の脆弱性

Qualcomm サウンド ドライバに権限昇格の脆弱性があるため、悪意のあるローカルアプリによってカーネル内で任意のコードが実行されるおそれがあります。最初に特権プロセスへの侵入が必要であるため、この問題の重大度は「高」と判断されています。

CVE 参照 重大度 更新対象の Google 端末 報告日
CVE-2016-8481 A-31906415*
QC-CR#1078000
Nexus 5X、Nexus 6P、Pixel、Pixel XL 2016 年 10 月 1 日
CVE-2017-0435 A-31906657*
QC-CR#1078000
Nexus 5X、Nexus 6P、Pixel、Pixel XL 2016 年 10 月 1 日
CVE-2017-0436 A-32624661*
QC-CR#1078000
Nexus 5X、Nexus 6P、Pixel、Pixel XL 2016 年 11 月 2 日

* この問題に対するパッチは公開されていません。アップデートは Google デベロッパー サイトから入手できる Nexus 端末用最新バイナリ ドライバに含まれています。

Qualcomm Wi-Fi ドライバでの権限昇格の脆弱性

Qualcomm Wi-Fi ドライバに権限昇格の脆弱性があるため、悪意のあるローカルアプリによってカーネル内で任意のコードが実行されるおそれがあります。最初に特権プロセスへの侵入が必要であるため、この問題の重大度は「高」と判断されています。

CVE 参照 重大度 更新対象の Google 端末 報告日
CVE-2017-0437 A-32402310
QC-CR#1092497
Nexus 5X、Pixel、Pixel XL 2016 年 10 月 25 日
CVE-2017-0438 A-32402604
QC-CR#1092497
Nexus 5X、Pixel、Pixel XL 2016 年 10 月 25 日
CVE-2017-0439 A-32450647
QC-CR#1092059
Nexus 5X、Pixel、Pixel XL 2016 年 10 月 25 日
CVE-2016-8419 A-32454494
QC-CR#1087209
Nexus 5X、Pixel、Pixel XL 2016 年 10 月 26 日
CVE-2016-8420 A-32451171
QC-CR#1087807
Nexus 5X、Pixel、Pixel XL 2016 年 10 月 26 日
CVE-2016-8421 A-32451104
QC-CR#1087797
Nexus 5X、Pixel、Pixel XL 2016 年 10 月 26 日
CVE-2017-0440 A-33252788
QC-CR#1095770
Nexus 5X、Pixel、Pixel XL 2016 年 11 月 11 日
CVE-2017-0441 A-32872662
QC-CR#1095009
Nexus 5X、Pixel、Pixel XL 2016 年 11 月 11 日
CVE-2017-0442 A-32871330
QC-CR#1092497
Nexus 5X、Pixel、Pixel XL 2016 年 11 月 13 日
CVE-2017-0443 A-32877494
QC-CR#1092497
Nexus 5X、Pixel、Pixel XL 2016 年 11 月 13 日
CVE-2016-8476 A-32879283
QC-CR#1091940
Nexus 5X、Pixel、Pixel XL 2016 年 11 月 14 日

Realtek サウンド ドライバでの権限昇格の脆弱性

Realtek サウンド ドライバに権限昇格の脆弱性があるため、悪意のあるローカルアプリによってカーネル内で任意のコードが実行されるおそれがあります。最初に特権プロセスへの侵入が必要であるため、この問題の重大度は「高」と判断されています。

CVE 参照 重大度 更新対象の Google 端末 報告日
CVE-2017-0444 A-32705232* Nexus 9 2016 年 11 月 7 日

* この問題に対するパッチは公開されていません。アップデートは Google デベロッパー サイトから入手できる Nexus 端末用最新バイナリ ドライバに含まれています。

HTC タッチスクリーン ドライバでの権限昇格の脆弱性

HTC タッチスクリーン ドライバに権限昇格の脆弱性があるため、悪意のあるローカルアプリによってカーネル内で任意のコードが実行されるおそれがあります。最初に特権プロセスへの侵入が必要であるため、この問題の重大度は「高」と判断されています。

CVE 参照 重大度 更新対象の Google 端末 報告日
CVE-2017-0445 A-32769717* Pixel、Pixel XL 2016 年 11 月 9 日
CVE-2017-0446 A-32917445* Pixel、Pixel XL 2016 年 11 月 15 日
CVE-2017-0447 A-32919560* Pixel、Pixel XL 2016 年 11 月 15 日

* この問題に対するパッチは公開されていません。アップデートは Google デベロッパー サイトから入手できる Nexus 端末用最新バイナリ ドライバに含まれています。

NVIDIA ビデオドライバでの情報開示の脆弱性

NVIDIA ビデオドライバに情報開示の脆弱性があるため、悪意のあるローカルアプリが権限レベルの範囲外のデータにアクセスするおそれがあります。ユーザーの明示的な許可を得ずに、機密データにアクセスするのに利用されるおそれがあるため、この問題の重大度は「高」と判断されています。

CVE 参照 重大度 更新対象の Google 端末 報告日
CVE-2017-0448 A-32721029*
N-CVE-2017-0448
Nexus 9 2016 年 11 月 7 日

* この問題に対するパッチは公開されていません。アップデートは Google デベロッパー サイトから入手できる Nexus 端末用最新バイナリ ドライバに含まれています。

Broadcom Wi-Fi ドライバでの権限昇格の脆弱性

Broadcom Wi-Fi ドライバに権限昇格の脆弱性があるため、悪意のあるローカルアプリによってカーネル内で任意のコードが実行されるおそれがあります。最初に特権プロセスへの侵入が必要であり、現在のプラットフォーム構成によってリスクが軽減されているため、この問題の重大度は「中」と判断されています。

CVE 参照 重大度 更新対象の Google 端末 報告日
CVE-2017-0449 A-31707909*
B-RB#32094
Nexus 6、Nexus 6P 2016 年 9 月 23 日

* この問題に対するパッチは公開されていません。アップデートは Google デベロッパー サイトから入手できる Nexus 端末用最新バイナリ ドライバに含まれています。

オーディオサーバーでの権限昇格の脆弱性

オーディオサーバーに権限昇格の脆弱性があるため、悪意のあるローカルアプリによって特権プロセス内で任意のコードが実行されるおそれがあります。現在のプラットフォーム構成によってリスクが軽減されているため、この問題の重大度は「中」と判断されています。

CVE 参照 重大度 更新対象の Google 端末 報告日
CVE-2017-0450 A-32917432* Nexus 9 2016 年 11 月 15 日

* この問題に対するパッチは公開されていません。アップデートは Google デベロッパー サイトから入手できる Nexus 端末用最新バイナリ ドライバに含まれています。

カーネル ファイル システムでの権限昇格の脆弱性

カーネル ファイル システムに権限昇格の脆弱性があるため、悪意のあるローカルアプリが権限昇格を回避する保護を回避するおそれがあります。ユーザーレベルの多重防御または悪用対策技術を迂回する一般的な方法であるため、この問題の重大度は「中」と判断されています。

CVE 参照 重大度 更新対象の Google 端末 報告日
CVE-2016-10044 A-31711619* Nexus 5X、Nexus 6、Nexus 6P、Nexus 9、Android One、Pixel C、Nexus Player、Pixel、Pixel XL Google 社内

* この問題に対するパッチは公開されていません。アップデートは Google デベロッパー サイトから入手できる Nexus 端末用最新バイナリ ドライバに含まれています。

Qualcomm Secure Execution Environment Communicator での情報開示の脆弱性

Qualcomm Secure Execution Environment Communicator に情報開示の脆弱性があるため、悪意のあるローカルアプリが権限レベルの範囲外のデータにアクセスするおそれがあります。最初に特権プロセスへの侵入が必要であるため、この問題の重大度は「中」と判断されています。

CVE 参照 重大度 更新対象の Google 端末 報告日
CVE-2016-8414 A-31704078
QC-CR#1076407
Nexus 5X、Nexus 6P、Android One、Pixel、Pixel XL 2016 年 9 月 23 日

Qualcomm サウンド ドライバでの情報開示の脆弱性

Qualcomm サウンド ドライバに情報開示の脆弱性があるため、悪意のあるローカルアプリが権限レベルの範囲外のデータにアクセスするおそれがあります。最初に特権プロセスへの侵入が必要であるため、この問題の重大度は「中」と判断されています。

CVE 参照 重大度 更新対象の Google 端末 報告日
CVE-2017-0451 A-31796345
QC-CR#1073129 [2]
Nexus 5X、Nexus 6P、Android One、Pixel、Pixel XL 2016 年 9 月 27 日

一般的な質問と回答

上記の公開情報に対する一般的な質問について、以下で回答します。

1. 上記の問題に対処するように端末が更新されているかどうかをどのように判断すればよいですか?

端末のセキュリティ パッチ レベルを確認する方法については、Pixel および Nexus のアップデート スケジュールに記載されている手順をご覧ください。

このアップデートを組み込んだ端末メーカーは、パッチレベル文字列を以下に設定する必要があります。

2. この公開情報に 2 つのセキュリティ パッチ レベルがあるのはなぜですか?

この公開情報では、2 つのセキュリティ パッチ レベルを定義しています。これは、すべての Android 搭載端末で同様の問題が発生する一部の脆弱性をサブセットとし、Android パートナーが迅速かつ柔軟に修正できるようにするためです。Android パートナーには、この公開情報に掲載されている問題をすべて修正し、最新のセキュリティ パッチ レベルを使用することが推奨されています。

パートナーには、対処するすべての問題の修正を 1 つのアップデートにまとめて提供することが推奨されています。

3.  各問題の影響を受ける Google 端末を判断するにはどうすればよいですか?

2017-02-012017-02-05 のセキュリティの脆弱性の詳細に関するセクションで、各表中の「更新対象の Google 端末」列に、その問題の影響を受ける、更新対象の Google 端末の種類が記載されています。この列の記載は次のいずれかです。

4. 「参照」列の項目はどのような情報に関連付けられていますか?

脆弱性の詳細の表で「参照」列に記載した内容には、その参照番号が属す組織を示す接頭辞を含めている場合があります。各接頭辞の意味は以下のとおりです。

接頭辞 参照
A- Android バグ ID
QC- Qualcomm の参照番号
M- MediaTek の参照番号
N- NVIDIA の参照番号
B- Broadcom の参照番号

改訂